妊娠したい!とおもったらすぐ読む本  医学博士 美馬博史

*妊娠しやすいからだを作る生活習慣

① 冷え性を改善しましょう・・・体温が0.2~0.3度上がるだけで妊娠率が高くなります。

《冷え性はさまざまな症状を伴います》

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西洋医学では「冷え性」という診断目はないのですが、東洋医学からみると冷え性は体の血液の流れが滞り、とくに抹消の血管に血液が届きにくくなっている状態を指します。 手足がいつも冷たい、布団に入っても足が冷えてて眠りが浅いと訴える人はたくさんいます。 手足だけでなく、腰が冷える、お腹を触るとヒヤッとして冷たいという人もいます。

このような冷感だけでなく、疲れやすい、肩こりがひどい、排尿回数が多い(頻尿)、下痢になりやすいなど、さまざまな症状を伴います。 また月経痛や月経前緊張症の症状も強く出がちです。

《冷え性は卵巣機能を低下させます》

不妊症の女性の大半は冷え性に悩んでいます。 血行が悪いと卵巣に酸素や栄養が十分に届かず、卵巣機能の低下を招くためです。卵巣が生き生きと働くためには十分な栄養が届かないといけません。

onnna毎日の食事から摂取する栄養が大切なわけですが、胃腸の消化活動をコントロールする消化酵素をはじめ、代謝、免疫機能に大きな役割を果たす体内酵素(ボディエンザイム)は37度前後でもっともよく働きます。 (*1)

 

冷え性の方は基礎体温計表をみると全体に体温が低く、低温期には35度台を推移している人も珍しくありません。 低体温状態が続くと、せっかく栄養バランスのよい食事を心掛けても、栄養の大半が体内で有効活用されません。

体の奥の体温(深部温)を測定する医療機器がありますが、深部温は体内の血液循環を示します。深部温が低ければ血液循環が悪く、高いと血液循環が良いものです。子宮の中は37度程度です。 受精卵を保存する培養器は37度に設定されています。 子宮や卵巣への血液循環をよくするには深部温を高くすることが欠かせません。体温が上がると妊娠率も上昇します。

(*1)栄養吸収と断食の関係

体内酵素には食べ物の分解を促進する「消化酵素」と食べ物から体の材料や成分を作り出す「代謝酵素」とがあります。 いずれもビタミンやミネラルを材料として「体内で合成される酵素」です。 つまり、酵素が不足すれば生命活動に支障が起きます。 一生の間につくられる酵素の量は、生まれたときにすでに遺伝子に組み込まれていると言われています。 どんどん使ってしまえば、それだけなくなるのも早くなります。 なくなった後には老化、そして死がやってきます。 健康で長生きするためには、いかに酵素を無駄遣いしないかが大事になってきます。 その節約法として「断食」が大変有効です。 体内でもっとも酵素を使うのが「消化」だからです。 このとき、胃や膵臓などでせっせと「消化酵素」が分泌されています。 しかし断食をすると食べ物を消化する必要がほとんどなくなるため、消化酵素の分泌が劇的に抑えられるのです。 断食を行うと自己治癒力が高まります。 消化酵素が節約された分の体内酵素が、「代謝酵素」に振り分けられるからです。 代謝酵素には、からだの浄化や修復の働きがあり、断食によってこうした働きが活発になるのです。(一般社団法人 分子整合医学美容食育協会の教科書より)

断食と妊娠の関係:断食によって有害物質の解毒を証明した一例

1960年代に北九州で起こった「カネミ油症」という食品公害は、植物油に混入したPCBが主な原因でした。 症状は発疹や脱毛、肝機能障害、神経障害など様々で、妊娠中にPCB混入油を常用した女性から生まれた赤ん坊の肌に黒い色素が沈着するという痛ましい例がありました。 なかなか治療法が見つからず、模索する中、断食療法が目覚しい効果を上げたのです。 神経障害では95.6%、皮膚障害では83%という驚きべき改善率で、政府もこの効果を認め、断食療法を正式に採用しました。

okatyanこのようにカネミ油症の件でわかるように、胎児は母親の食べたものの影響をダイレクトに受けるということです。 さらに、日本人女性の母乳中のPCBとダイオキシン濃度は、世界的にみても高濃度であることが知られており、その大きな理由として環境汚染の影響を受けた食べ物の摂取が疑われています。 生まれてからも、子供は悪影響を受け続けるわけです。 妊娠中の断食は胎児の発育を考えるとお勧めできません。 妊娠前の普段の食事から気を配り、定期的な断食によってデトックスを心掛けておくことで、やがて生まれてくる子供を守ることができます。 (山田豊文氏「食べない人は病気にならない」)

 

②抗酸化力アップで卵巣のエイジングを止めましょう・・・活性酸素は細胞の老化を促します

活性酸素(フリーラジカル)は、私たちの細胞や代謝活動において作られ、生命活動を維持する上で必要不可欠なものです。 しかし、過ぎたるは及ばざるが如し。 過剰に作られる状態が続くと、細胞が傷つき、早い老化や病気をもたらす心配があります。

卵巣も例外ではありません。 過剰な活性酸素は卵巣のエイジングを加速して、質のよい卵子を作る能力を低下させる心配があります。 子宮内膜の状態も悪くします。 卵子だけでなく精子の質を低下させる心配もあり、生殖細胞の早いエイジングを促して不妊症状を悪化させます。 (*2)

《抗酸化力で細胞の老化を止めます》

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アルコール、タバコの煙、排気ガスなど、私たちの体に有害な物質が体内に入ると、解毒作用や免疫システムが働いて活性酸素が発生します。 しかし、過剰な活性酸素による酸化作用を打ち消す力(抗酸化力)があれば、細胞の老化を止めることも可能です。 活性酸素を発生させる有害物質を避けるとともに、抗酸化力の働きを強め、活性酸素と対抗するための食品群(抗酸化物質)を上手に取り入れると、卵巣のアンチエイジングにつながります。

(*2)活性酸素/抗酸化力と陶板浴の関係:シャスタ陶板浴【神楽】の全室内は、専門機関の試験で抗酸化力=活性酸素消去力を有することが立証された《抗酸化リバース溶液》を活用した、究極の低温・低湿サウナです。
40℃前後の室内温度で、湿度が低く、さらっと快適。 身体を芯から温める効果と、抗酸化リバース溶液の働きによる良質な空気環境の中で自律神経のバランスが整うことで活性酸素が除去され、免疫力や治癒力につながるものと専門の研究機関から注目されています。

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*妊娠への希望をつなぐ糖質栄養素

もう一度強調しますが、私たちの体は食べ物でつくられます。 食べ物から得る栄養が体を作ります。 私たちの体はおよそ270種類、60兆個もの細胞でできています。 心臓を動かす心筋細胞も、体内に入った毒素を解毒する肝臓の細胞も、材料は食べ物であり、栄養です。 赤ちゃんの素である卵子と精子も例外ではありません。 生殖細胞は食べ物と栄養を糧に育ち、受精の力を持ちます。

妊娠しやすいからだを作るのは食べ物だということを深く肝に銘じてください。

さて、栄養というと頭に浮かぶのは、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの四代栄養素です。 しばらく前から食物繊維が加わりました。 最近は抗酸化物質も大変注目されていますが、本当にクローズアップされなければならないのは、生命の源と言われる糖質栄養素です。 糖質栄養素は私たちの命の営みに欠かせない栄養素です。 糖質栄養素は受精 ― 生命の始まりに関与しています。 不妊を克服しようと努力している夫婦には、妊娠への希望をつなぐ魔法の栄養素となり得る可能性を秘めています。 しかし、糖質栄養素の存在を知らずにいる人が大勢います。

《糖質栄養素とは? 植物由来の糖質がもつ効能》

私たちの周囲には、昔から「体によい」と伝えられてきた食べ物や、病気や怪我によく効くと言い伝えられている植物があります。

アロエがヤケドに利くことは大勢の人が知っています。 ヤケドだけではありません。 胸焼けを抑えて胃薬の代わりになることも知られています。 アロエは中国伝統医学、インド発症のアーユルヴェーダ、ギリシャのユナニ・ティブなど、古代から続く伝統医学の分野で効果があると信じられ、「薬」として使われてきました。 ところが、アロエの成分の何が効果があるかというと、知らない人がほとんどです。

アロエに含まれるマンノースという糖質栄養素がその効能の正体です。 ゴマも体によい食品です。 白ゴマより黒ゴマがよいといわれます。 ではゴマのどんな成分が体のどこにいいのか、何に効くのか、と聞かれると正確に言える人はなかなかいません。 実はゴマにもマンノースが含まれているのです。

白米よりも玄米の方が体によいことも知られています。 白米に精製する際に削られてしまう胚芽にもマンノースが豊富です。

マンノースは甘くない糖

マンノースは糖質の一種です。 糖質には、単糖類、二糖類、多糖類があります。 多糖類は簡単にいうと「でんぷん」です。 二糖類の中で身近なのは砂糖(しょ糖)です(麦芽糖や乳糖も二糖類です)。 マンノースは二糖類でも、多糖類でもありません。 これ以上加水分解できない最小の糖―単糖です。 単糖類には様々あり、果物や花の蜜にふくまれるグルコースやフルクトースも単糖類です。

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ではマンノースも甘いのか?というとそうではありません。 アロエもゴマも胚芽も甘くありません。 甘くない糖質もあるのです。

糖質=炭水化物→エネルギーの源ですが、食べすぎは肥満のもと、あるいは、糖質=砂糖→甘くて摂りすぎは体に悪い・・・、多くの人が持っている常識に新しい常識を加えてください。 「糖質=甘くない単糖類→体によい」です。

糖鎖形成に必須の糖質栄養素

マンノースは体によいのですが、ただ単に良いだけではありません。糖鎖を構成する単糖類のひとつであることが判ったのです。 糖鎖・・・聞きなれない名前ですが、糖鎖は、単糖類が複雑な組み合わせで鎖状につながった物質のことです。 しかも糖鎖こそ、私たちが生きるうえで欠かせない物質であることが解明されたのです。

田中耕一さんがノーベル賞を受賞した研究内容が端緒となって、糖鎖の研究は飛躍的に進みました。「21世紀は糖鎖の時代」といわれるように、生命科学や臨床医学の分野で糖鎖は大きな注目を浴びています。 そして生殖医学の分野でも!

糖鎖の役割とは

糖鎖が重要なのは、細胞間同士の情報伝達の役割をはたしているからです。 例えば、卵子の糖鎖には「私は卵子よ!」と精子に教える暗号コードが組み込まれています。 精子の糖鎖には「あれが卵子だ、侵入しよう」と行動を起す暗号コードが組み込まれています。 卵子と精子の糖鎖同士が細胞間のコミュニケーションを図ることで、初めて受精が成り立ちます。

免疫の働きにも糖鎖の情報伝達機能が深く関係しています。 体内に最近やウイルスが侵入したとき、糖鎖の情報伝達システムが作動して、「あれは体に悪さをする細菌だ! やっつけろ」と免疫機能を単糖する細胞たちに知らせ、免疫単糖細胞が働き始めます。 もし糖鎖に異常が起こると、体に悪さをする細菌を正しく認識できず、間違った情報を免疫担当細胞に送ることになり、最近の繁殖をやすやすと許してしまいます。 つまり、糖鎖の異常は病気を発症させ、糖鎖が正しく修復されると病気が治癒すると考えられます。

私たちの体はおよそ270種類、60兆個の細胞で成り立ってると言いましたが、そのすべての細胞に糖鎖が存在します。 生命活動をスムーズに維持するには、細胞同士の情報伝達が鍵になります。 糖鎖が正しい情報を発信し、糖鎖が正しく情報をキャッチする・・・この正確な情報伝達があって初めて人間は巨大な細胞集団としての調和が取れるのです。 そして、糖鎖は私たちの体が本来もっている自然治癒力の源です。

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《糖鎖形成に必須の糖質栄養素》

現在、糖鎖を形成する単糖類として、マンノースなど十数種類が解明されています。 なかでも重要な8種類の単糖類を「糖質栄養素」と呼びます。 しかも、この8種類の糖質栄養素はその効果が科学的に証明されています。 とくに小児の難治疾患の分野では、回復不可能とされていた病気が糖質栄養素を摂取することで治癒した例が多数報告されています。

一例を挙げれば、WHO(世界保健機関)は糖質栄養素の効果を科学的に認定しています。免疫機能が障害され、不治の病気とされる後天性免疫不全症(HIV感染症)について、糖質栄養素の研究チームと共同でアフリカの子供達を救うプロジェクトが活動を始めています。

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不妊治療と糖質栄養素の関係-等差が受精に果たす役割

糖鎖はすべての細胞にあります。 細胞の表面に産毛のように生えていると言っていいでしょう。 精子の場合、外被(精子の外側をおおう皮膜)を丈夫にする働きをしています。 全長0.03mmの精子は受精の場である卵管膨大部までおよそ17cmを異動しなければなりません。 この間、精子は頸管や卵管が分泌する粘液にさらされます。 内径わずか1mmの細かい卵管を通るときには、卵管の壁に接触して傷つく心配もあります。 これらの刺激から守る働きをしているわけです。

卵子の外側は透明帯で覆われています。 この透明帯の主成分は糖たんぱく質(たんぱく質に等差が結合したもの)です。

前述したように、生殖細胞の精子と卵子は、それぞれがもつ糖鎖によって細胞間コミュニケーションをとりながら受精します。 精子と卵子、どちらかの糖鎖に異常があると、受精障害を起す可能性があります。

精子は頭部、中片部、尾部の3つの部分から出来ています。 東部の先端部分を先体といいますが、その表面には糖たんぱく質があります。 射精直後の精子にはまだ卵子に受精する力は出来ていません。 先体表面の糖たんぱく質が取り除かれるのが、受精能力を得る条件の一つと言われています。

一方、卵子をおおう透明帯も糖たんぱく質で出来ています。 精子が透明帯に入るには、透明帯にある糖鎖が精子の接近、及び先体反応開始の情報をきちんと受け止める必要があります。 また精子が一匹卵子に侵入した段階で、透明帯は開いた口を閉じます。 複数の精子が卵子に受精するのを防ぐためです。 これも糖鎖の情報伝達機能のお陰です。

ここで興味深いのは、女性の排卵および精子の卵子への進入には、フコースとアセチル化複合糖鎖が重要な役割をはたしているとする研究です。 フコース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸、いずれもが糖鎖形成に必須の8つの単糖類、すなわち糖質栄養素です。

糖質栄養素を摂取している患者さんの卵子は、服用前よりあきらかにグレードアップし、採卵数が増えるなどの変化が見られます。 また男性不妊の場合、明らかに受精能が高くなります。 乏精子症(数が少ない)、精子無力症(元気がない)、奇形精子症(正常な精子が少ない)、無精子症(精子がない)などのすべての面で、早い人で服用1~2ヶ月後で効果が現れています。

では、日常の食生活で糖質栄養素を十分にとることは出来るのでしょうか?

植物界には天然成分として約200種の単糖類があります。 しかし、前述したように、細胞間のコミュニケーションに必要な糖鎖を構成する糖質栄養素は現在のところ8種類が解明されています。 その8種の糖質栄養素のうち、現代の食生活で十分に摂取できる単糖類は、重荷白米やパンから摂取されるグルコース、おもに牛乳からとることの出来るガラクトースの2種類だけと言っていいでしょう。 実際、この2種類については、私たちは過剰なほど摂っています。 これ以外の6種類も体内で作られます。 たとえば、フコース(フコイダンとも呼ばれます)は、ワカメやモズクなどの海草に豊富に含まれています。 しかし、フコースは体内にはいると5時間で消滅します。 果たして、5時間おきに海草を食べ続けることは可能でしょうか? また糖質栄養素を体内で作るには、ある種の酵素やビタミン・ミネラル類が必要です。 しかし、人間は無機質であるミネラルをそのままの形で摂取することは出来ません。私たちに出来るんはせいぜい「ミネラル豊富な土壌で育った野菜」を意識して食べるか、「ミネラル豊富な水」を飲むことでしょう。 しかし、野菜が育つ土壌は化学肥料と農薬のために含有するミネラルは大幅に減少しています。 食事からとれる糖質栄養素はこの20年で約25%も減っています。 現代人はサプリメントで糖質栄養素を補うほかないと言えます。 サプリメントとして糖質栄養素を摂取する場合には、是非科学的検証を経た製品であることを確認してください。

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糖質栄養素によるその他の体調の変化

*抗酸化力アップ=免疫力アップ

*冷え性、貧血の改善

*アレルギー性疾患の症状の緩和

*体力の増強

*便秘解消

*肌の張りとツヤ